ハスキーヴォイスで歌われるカントリーロックの哀愁バラードは、DR. HOOK & THE MEDICINE SHOW名義で1972年3月にリリース、同年5月には表題1stアルバムの1曲目に収録された2ndシングル。とはいえ無名の"Last Morning"を差し置いて実質デビュー曲であり、いきなり全米5位をマークした初期の有名曲でもあります。シルビアの母親が彼女をなかなか電話に出させないというやきもきした内容の歌。兄の旺文社"百万人の英語"テキストを見てタイトルだけは早くに知るも実際に聴いたのは遥か後、"When You're in Love with a Beautiful Woman"のヒットで返り咲いた頃という完全後追いです。
オランダのポップ・グループからのイチャモンによりCAUGHT IN THE ACTからGUILD OF AGESへと改名を余儀なくされるも、メロディ愛好家からは一貫して根強い支持を取り付けるコロラド州デンバー出身の6人組が、ほぼ20年近い沈黙期間を経て'16年に発表した復活作。通算3作目(CITA時代も含めると5作目)。今回は盟友ボビー・バースの手は借りず、バンドのセルフ・プロデュース体制でレコーディングが行われいます。 重厚に絡み合うツインGにドラマティックな曲展開等、作を重ねる毎にHM路線への傾倒を顕著にしていった彼らですが、本作においてはヘヴィ・メタリックなエッジのみならず、大陸産のバンドならではの爽快感溢れるメロディにコーラス・ワーク、ピアノ(ショパンの“月光”調)イントロに導かれてスタートする序曲①と、厳かにアルバムEDを締め括るアウトロ⑫で本編をサンドイッチするというCITA時代の名盤『HEAT OF EMOTION』を思い起こさせる構成等、初期作と近作のエッセンスがバランス良く盛り込まれており、まさしく復活作に相応しいこれまでの総決算的内容に仕上がっています。 まぁ、それにしてはアルバム後半の息切れが気にならなくもないのですが、個人的には①~⑥の素晴らしさだけでアルバム購入代金の元は十分に回収出来ましたよ。特に物悲しいピアノのイントロでグッと掴まれ、ダニー・マルティネスのブランクをまるで感じさせない熱唱が胸焦がす劇的な⑤は、このバンドが持つポテンシャルの高さがしかと刻まれた名曲です。 それだけに、これ以降活動状況が全然伝わって来ないことが心配なんで、ぼちぼち新作をリリースしてくれたりすると嬉しいなぁと。待っとります。