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Defying Gravity / JOHN ELEFANTE
火薬バカ一代 ★★★ (2025-07-11 01:30:20)
先頃、5thソロ『AMAZING GRACE』(’22年)を発表して健在ぶりを示した、元KANSASのフロントマンにして、グラミー賞に輝くプロデューサーとしても活躍するジョン・エレファンテ。本作は彼が'99年にFRONTIERS RECORDSから発表した3枚目のソロ・アルバムで、共同プロデュースは勿論兄弟のディノ・エレファンテが担当しています。(邦題は『天空を翔け~ディファイング・グラヴィティ~』)
CCMシーンを主戦場とする御仁ゆえ、歌詞は今回もゴリゴリのキリスト讃歌。昨今の世界情勢のきな臭さを踏まえると嘗てほど無邪気に受け止めることは出来なくなりつつありますが、とはいえゴスペルやカントリー・ミュージックのエッセンスも取り入れたAORナンバーと、KANSASを彷彿とさせるプログレ・ハード調のドラマティックなアレンジ/曲展開が楽しめるメロディアス・ロック・ナンバーの二本立てで構成され、微に入り細を穿つ兄弟の職人芸が存分に振るわれた本編のクオリティは、やはり「流石!」の一言に尽きるわけで。
KANSAS時代から変わらぬ色艶を保ち続けるジョンの伸びやかな歌声も絶品で、特に開幕早々、ストリングスを纏って物悲しくも劇的にぶちカマされるOPナンバー①は文句なしの名曲&本作のハイライト。一転して軽快にロックする曲調に乾いた哀愁漂わすメロディが乗っかった②、バイオリン導入が効果的なアルバム表題曲④、分厚く重ねられたコーラス・ワークが映える華やかなバラード⑦⑨辺りも本作の魅力を端的に伝えてくれる仕上がりとなっていますよ。
この人のソロ作は現在では入手困難なものが多いので、どっかで再発してくれんもんですかね。

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